マレーシア大学院留学

マレーシアの大学院制度

マレーシアの大学院制度

マレーシアの大学院制度は、日本と比べて複雑です。日本のように修士課程、博士課程という単純なものではなく、履修形態、取得学位の種類がいくつかあります。しかし、この複雑さが、個人個人の事情、状況に合わせた進路設計を可能にしています。

例えば、大学の先生、研究者を目指しており、学部の時点や社会で今後探求、追求(追究)していく基礎を持っている人は、自分の研究分野を深堀することが出来ます。

また学部を卒業した時点では、これといった専門分野を持てなかった人や、持っていても自分が今後進んでいきたい道とは異なっていた人は、学部と同じように授業を通してその分野の専門性を学んでいくことも可能です。

日本の大学院との違い

1.入学時期の多さ

日本の大学院は基本的に4月入学ですが、マレーシアの大学院は、年間2~5回の入学チャンスがあります。海外留学する場合、3月に卒業してからの空白時間が問題になりますが、マレーシアの場合は、空白時間を限りなく少なくして海外大学院進学が可能になります。

2.履修体系の多さ

日本の大学院の修士課程では、科目を履修して単位を取得しながら修論に向けて研究を行っていく形になりますが、マレーシアの大学院では、日本と同じ『講義型』、より研究の量を増やした『講義・研究混合型』、科目履修は行わず研究のみを行っていく『研究型』の3つの履修体系があります。大学によっては大学院進学の目的に合わせた履修タイプを選ぶことが出来るプログラムもあります。

3.学校選びの基準

日本の場合は、偏差値に基づいて進路を決める人が少なくありませんが、マレーシアの場合は高等教育省による『SETARA(スタラ)』という1~6までの大学の格付けがあります。しかし、日本の偏差値の様に全ての大学がその格付けの中に入っているわけではありません。高い教育水準がある大学のみが格付けの対象になっています。また、同ランクの中でどこの学校が上かという細かな順位付けもされていません。

日本人のみならず、東アジアの中国、韓国も大学のランキングを意識し過ぎた進路選択をしますが、マレーシアの大学院の場合、どのような教育を提供できるかに重きを置いている点をご理解下さい。

マレーシアの大学院進学を考える場合は、何を勉強したいのか、または将来の進路が学校選びの重要なポイントになってきます。

大学の種類

マレーシアの大学は、大きく分けて、国立・私立・海外大学分校の3種類あります。

国立大学はブミプトラ政策(マレー人の経済的・社会的地位向上のための優遇政策)により、マレー人の学生比率が圧倒的に高いです。授業も英語よりマレー語主体で行わること、そして入学基準である試験がマレー語で行われるため、日本では対象者がほとんどおらず、マレーシア留学ネットでは現在ご紹介しておりません。

私立大学は、施設の充実度や授業水準によってレベルの高い方から『ユニバーシティー(University)』『ユニバーシティーカレッジ(University College)』『カレッジ(College)』と分類されています。学校によっては、これらを併せ持った大学もあります。私立大学の授業は主として英語で行われ、海外からの留学生が多いのが特徴です。

海外大学の分校は、イギリス、オーストラリアの名門校のマレーシアにある分校です。教育の水準、取得学位等は本校との違いはありません。本校との大きな違いは、学費がマレーシアの物価水準に合わせてあるため、本校より格段に安く学位を取得できることです。

学位について

準修士(Postgraduate)

日本語で準学士と呼ばれ、日本の短期大学の卒業資格に相当します。

修士(Master)

日本の修士の卒業資格に相当します。

博士(Doctor)

日本の博士の卒業資格に相当します。工学博士(PhD:Doctor of Philosophy(Engineering))、経営学博士(PhD:Doctor of Philosophy(Business))。

進学ルート

大学進学英語コース(Intensive English)

大学進学英語コースは、成績では入学基準を満たしているのに、もう1つの入学基準である英語力が不足している学生が大学院の授業を受けられるレベルの英語力を身につけるために通います。

授業内容は学校により異なります。ある学校では下の方のレベルでは、英会話になりますが、上のレベルになるに従い大学院進学時に必要となる大量の資料の読解等に耐えられる読解力、英語でのノートのとり方、プレゼンテーションスキル、文書作成力(レポートの書き方)の強化が中心になります。また、ある学校では大学院進学向けの英語の資格試験IELTS(アイエルツ)の勉強を行っています。

コース終了後の進路は、マレーシアの大学院のみならずアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの大学院へ進学することも可能です。マレーシアの多くの大学院が欧米諸国の大学院の情報、資料をたくさん持っていますので、自分に適した学校探しがしやすいと思います。

大学進学英語コース

準修士課程(Postgraduate Diploma)

準修士課程は日本にはない課程で、一般的に修士課程に進むに当たり、その分野の専門知識を持っていない人が基礎知識を学ぶために進むコースになります。

学士課程でしっかりした基礎知識を学べていない人、学士課程と異なる分野の勉強がしたい人、大学卒業後しばらく学んだ分野から離れてしまい忘れてしまった人におすすめです。

修了後は、修士課程進学を目指すことが出来ます。

準修士課程

修士課程(Master)

日本の修士課程は2年制ですが、マレーシアの修士課程は通常1~1.5年間です。日本の大学院は入学した大学院の修士を取得しますが、マレーシアの大学院は海外大学院との提携が盛んで、色いろな選択肢があります。

修士課程

博士課程(Doctor)

日本では博士課程前期(修士)2年、博士課程後期3年の博士取得まで最短5年かかりますが、マレーシアでは博士課程前期(修士)1~1.5年、博士課程後期2~3年の博士取得まで最短3~4.5年かかります。

博士課程

ツイニングプログラム(Twinning Programme)

主にイギリス、オーストラリアの大学院と提携したプログラムで、卒業時にはマレーシアの大学院ではなく提携先のイギリスまたはオーストラリア等の大学院の修士が取得できます。

ダブルディグリープログラムプログラム(Dobble Degree Programme)

マレーシアの大学院と海外の提携した大学院の2つの大学院の修士が同時に取得できるプログラムです。提携先の大学院はイギリス、オーストラリアの大学院がほとんどです。

ツイニングプログラムとの違いは、ツイニングプログラムは提携先の大学院の学位のみ取得でき、マレーシアの大学院の学位は手に入りませんが、ダブルディグリープログラムは、マレーシアの大学院、提携先の大学院両方共の学位が取得できます。