こんにちは!
マレーシア留学ネットの山根です。
今日は、『探求型教育の難しさ』について書いてみたいと思います。
先日、マレーシアでマレーシアのみならずアメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド等の留学を取り扱うエージェントさんと一緒にマレーシアの各種学校を見て回るイベントに参加しました。
この時、あるアメリカのカリキュラムを取り入れているインターナショナルスクールを訪問しました。そこで学校を説明して下さった先生が、オーストラリア人でした。
この先生をきっかけに今流行りの『探求型』の教育について深く考える機会を得たのであなたにも共有したいと思います。
アメリカ人は馬鹿が多いのではないか!?
案内して下さったオーストラリア人の先生は、自分の息子もこの学校(アメリカ式の教育を取り入れたインターナショナルスクール)で学ばせたというお話をしてくれました。
あなたは、
『なぜ、オーストラリア人なのにアメリカの学校?』
って思わないですか?普通、我々日本人なら、日本人学校に行って、台湾人学校とか韓国人学校には行こうと思わないですよね?
もちろん、マレーシアにはオーストラリアのカリキュラムを取り入れたインターナショナルスクールもあります!
参加した各エージェントの皆様も同じ事が気になりましたので、先生はなぜ息子が勤務先のアメリカ式のインターナショナルスクールで学んだのかという話をして下さいました。
先生の話を要約すると、オーストラリアは知識の詰め込みの教育だけれども、アメリカは単なる知識の詰め込みではなく、探求型の教育にひかれて自分の息子をこの学校に進学させ、そして卒業後は、オーストラリアの名門大学に進学したという内容でした。
日本で今、『探求型』は流行りで、最新式の教育方法なので参加者の方は皆、興奮して先生の話を聞き、同調していましたが私はしっくりきませんでした。
逆に、『アメリカは馬鹿が一杯いるのではないか?』という疑問が生まれました。
探求教育の難しさ
私は、『探求型』の教育について、どうこう言うつもりはありませんが、マレージャパンの仲間たち(マレーシア留学ネットを利用してマレーシア留学されているお客様)を見ていて、『探求型』の教育の難しさを強く感じています。
ある一定以上のレベルのある学校で『探求型』の教育を導入すると今までの日本の教育ではなかった成果を導く事が出来るかもしれませんが、基礎学力もない状態で『探求型』を導入するとバカの量産になっていると感じています。
例えば、幼稚園や小学生低学年の子供で車がすごい好きで、その辺にある車の名前をすべて当てる事が出来るという話を聞いた事がないでしょうか?
年齢的にはまだ数歳なのに、車に対する興味、好奇心で日常生活で自然と車の名前を把握してしまい、一般的な大人より車に詳しくなっています。
人間は興味や好奇心がある事は、年齢にかかわらずしっかりした知識を持つ事が出来ます。
もう1つ例を挙げてみます。今戦争が起こっている『イスラエルとパレスチナの紛争』についてあなたはどう思われますか?
『イスラエルとパレスチナの紛争』は、『探求型』の教育のよいトピックにもなると思います。
『戦争はよくない』というのは簡単に言えますが、どちらが悪いのか?という話になると難易度が一気に上がります。
『イスラエルとパレスチナの紛争』をしっかり議論するためには、『宗教』、『宗教観』の理解が重要になってくるかと思います。
イスラエル人もパレスチナ人も宗教のために死ぬ事が出来るという日本人には理解できない部分がたくさんあります。
先ほどの幼稚の車の話ではないですが、これに興味がある子はほっておいてもどんどん調べてくるでしょうが、多くの生徒にとって、そもそもイスラエルもパレスチナもどこにあるのか知らないでしょうし、紛争しようがしまいが自分の日常生活にはほぼ関係がないのでどうでもいいんです。
このような中、事前にトピックに対し、しっかり知識を持たせた上でディスカッション、論文等をしていかないと『探求型』教育の意味がないと私は考えています。
生徒が興味ある事にトピックを絞るとやりやすいですが、そうすると偏った教育になってしまいます。
そのため、私は、『探求型』の教育はとても難しいと考えています。
マレージャパンの仲間たちの中にも、『探求型』の教育を導入している学校の出身者がいますが、一生懸命議論しているのはいいですが、トピックに対するしっかりした知識がないので、頓珍漢な事の言い合い!?になっているシーンを何度か目の当たりにした事があります。
こういう子の共通点は、国語を含めた基礎学力がないです。
マレーシア留学するために、英語の勉強が必要になりますが、英語力を伸ばすためには、特に国語の基礎学力が重要になります。
基礎学力がないと、英語力が伸びず、どうすればいいのか困ります・・・
アメリカはどうなっている?
それでは、私が気になっている幼少期からの教育を『探求型』で行っているアメリカはどうなっているのか調べてみる事にしました。
そうすると私の予想はあたり、馬鹿の量産になっているようです(笑)
ただ、冷静に考えると当たり前で、色々な事に知的好奇心を持てる学生なんてほとんどいないんです。
大半の学生は、身の回りにはもっと楽しいスマホ、ゲーム、パソコン等あるので、なぜこの勉強をしているのか?理解できずに日々過ごしているので基礎学力が十分についていないようです。
世界の習熟度ランキング等にもアメリカは上位に来ず、テストや受験で強制的に覚えさせる機会を逐次設けているアジア諸国の方が上位にあります。
そして、日本とアメリカが目指しているものが異なる事も知る事が重要かと思います。
アメリカはそもそも日本のように皆中流を目指していません。
小さな国の国家予算ぐらいの一生使いきれないぐらいの莫大な財産を持っている大富豪もいますが、今日の昼ご飯の目途すら立たない人もいます。
スラム街等では、毎日物取りによって人が亡くなっていますが、日常茶飯事の事なのでニュースにすらならないそうです。
こういう上と下の差が激しい社会では、下の人が変に賢くなって反乱等起こさないように、知識や表現方法を持っていない方が社会がうまく回るのではないかとも考えさせられました。
今日は、探求型教育の難しさについて考えてみました。