教育の無償化と平等性について|マレーシア留学ネットブログ

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こんにちは!

マレーシア留学ネットの山根です。

今日は、『教育の無償化と平等性』について考えてみたいと思います。

教育の無償化の意義について

日本では、法律で小学校、中学校で教育を受ける事が義務化されているので基本的に誰でも文字の読み書きができます。あなたの身の回りでも文字の読み書きができない人はいないのではないでしょうか?

これぐらい、日本人にとっては、読み書きできる事が普通ですが、世界を見ると『読み書きできる事』は当たり前の事ではないです。

マレーシアの特に40代以上の中華系の人では、『バナナ(Banana)』と呼ばれる、流ちょうに中国語を話せるのに、漢字の読み書きができない人がたくさんいます。(参照:バナナと呼ばれる理由は、果物のバナナが、外は黄色なのに中は白のように、外見は中国人なのに漢字の読み書きができないという見た目と中身が異なる事からです。)

日本でも在日韓国朝鮮人というのはよく言われますが、在日中国人とか在日台湾人とはあまり言われないように郷に入れば郷に従えではありませんが、中華系の方は現地化してその社会に溶け込むのがとても上手です。

40代以上の中華系の人は、ルーツは中国にあれど、自分たちはマレーシア人なんだからと中国語教育に力が入っていなかったので、漢字の読み書きができない人が多いそうです。(参照:30代以下の人は、中国が経済力を付けてきて、将来の事を考えて中国語が出来た方が便利と中国語教育に力を入れるようになってきているので、読み書きできる人が増えています。)

なので、バナナの人たちは、家族や友達との会話や電話は中国語で行いますが、SNSでは中国語で読み書き出来ないので、マレー語や英語で行います。

あなたも日常的にLINEのようなSNSを利用されていると思いますが、文字が読み書きできないってとても不便なんです。

そういう意味で、日本は、小学校、中学校と教育の義務化する事で、公立の学校であれば誰でも無償で教育を受ける事が出来る意義はとても高いと思います。

平等性について

では、教育の無償化はなんでも意義があるのでしょうか?

私は違うと思います。最近、高校教育、大学教育等義務教育以外の無償化の実現、議論がされています。

Fランク大学とメディアで呼ばれるような、下位層の大学には大学生にもなって中学生で学ぶような三角形の面積の求め方すら分からない学生がいます。

無料だから、とりあえず高校、とりあえず大学に行く事(行ける事)が私は平等だとは思いません。

義務教育に関しては、誰もが生きていくために最低限必要な学びが出来るという点で生まれた場所、環境に関わらず平等性があるかと思います。

AI化(機械化)が急速に進み、単純労働が機械に奪われつつある中で、ただただやみくもに高校、大学に進学する事は得策とは思えません。

例えば、優秀で勉強する気もあるけれど、お金がなくて進学できない人に対して、奨学金のような形で支給して教育の無償化を図るのは意義があるかと思います。

逆に、勉強する気もないような学生は、無料だからとりあえず高校、とりあえず大学ではなく、AI化の時代でもしっかり生活していける手に職を付けるために、中学、高校を卒業した時点で就職させる形の方が私は平等性が高いと思います。

特に職人と呼ばれるような仕事は、一人前になるまでに時間がかかります。機械では取って代わる事が出来ない技を持った人財になるためには、やみくもに進学した高校、大学という時間はとても無駄になります。

無償≠無料

『無償≠無料』ではない事を我々はしっかり認識する必要があると思います。

教育の無償化の原資は、働いている人が納めている税金からまかなわれており、無料ではありません。

税金も無尽蔵に生み出す事が出来るものではなく、教育の無償化により力を付けて仕事に就き、しっかり税金を納めるという循環が生まれているのであれば、半永久的に教育の無償化は続ける事が出来ますが、高校や大学を卒業したはいいが、仕事がない=税金を納める事が出来ない人が続出すると、税金の有効活用にはなりません。

アルバイトの代表格である、飲食、コンビニ、スーパー等がどんどんIT化、ロボット化して省人化していくと、『アルバイト』という言葉の意味を若い人が知らない時代がすぐに来るかと思います。

そうすると誰でも簡単にできる仕事が減り、言い方が悪いですが、仕事がある『いる人』、仕事がない『いらない人』の二極化していくと思いますが、こういう時代の変化を見据え、『いらない人』にならないように高校、大学への進学を目指す人と技術のある職人を目指す人とそれぞれの適正に合わせた進路選択が出来るようにする事が、真の『平等』ではないかと思います。

今日は、教育の無償化と平等について考えてみました。

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